第16回CI研究会CIFS 特別企画:CIとモデリング
日時:2019年12月20日10:20~12:20
場所:近畿大学 東大阪キャンパス(ブロッサムカフェ)
内容(敬称略)
第1部 講演 統計数理研究所 相吉英太郎
第2部 パネル討論
モデレータ
九州大学 村田純一
パネリスト
東北大学 本間経康
県立広島大学 市村 匠
関西大学/京都工芸繊維大学 黒江康明
“CI”や“AI”のI(Intelligence)とは何か
「物事や現象を知覚し、筋道・意味を悟り、それらを整理・統一し、認識や解釈を生み出すことで判断などの処理をする頭の働き」
→「物事や現象を “モデル” を構築することで認識および解釈し、それらに基づいて判断・決定・制御などの処理をする頭の働き」
モデリング
人にしかできない?
ひょっとして勘頼り?
Modelingに普遍的な方法論があるのか?
Modelの良し悪しの科学的な評価方法はあるのか?
例1:薬物動態モデル(最近関与した研究から)
「血液中」と「細胞中」の中間層として「間質中」の動態を考慮!(2層モデル→3層モデル)=多層化!→精度向上
例2:AIも多層化!→精度向上
多層化・入れ子化による結合増(基底増)
モデル構築のポイント
結合増による精度向上
多層化による精度向上
入れ子化による精度向上
モデリングのためのノウハウやモデルこそIntelligence
以下が重要
Algorithm of modeling
Model of modeling (MoM)
さらに,モデルの universality こそ intelligence
分野横断型universality こそ intelligence
データって大量にあるの?
少ないデータやデータが無い環境で、内部状態を観測・推定したい!
⇒まずモデル
CI部会への提言
モデル構築のノウハウの集積
「モデル学・モデリング学」の体系化⇒「標準的モデルの構築」⇒「各分野のモデルへ展開」という分岐をする学問体系の構築
モデルやモデリングとリンクしたパラメータ同定に使用したデータの収集と保存
モデルの性能、データの質の検証法の確立
同一データを用いてパラメータ同定したモデルの優劣のコンペ
動的モデルはAI (リカレントや LSTM )に負けるか
モデリングハンドブックの作成
学術研究としては
実時間でモデルを更新する手法の開発
デジタルツイン⇒モデルツイン
モデル自体を逐次更新していく最適化・モデル予測制御
量子系のモデリング
データを取得することで対象もモデルも変わる?
モデルの変化をモデル化するモデル(超モデル)
第2部 パネル討論
1.「CIは医学と相性が良い? 人が/を必要とする、人と人を繋ぐ-技術」東北大学 本間経康(スライドPDFファイル) 線形であれば安心感がある
生体だと線形のみで実現できるかは怪しい
非線形にすると表現能力が増えるが、うまく機能するかはデータによる
機械学習は精度はいいかもしれないが定量的な表現としては脆弱
機械は精度がいいが、人が説明、介在しているためうまくいっている
すなわち、機械はまだ人を必要としている
呼吸のモデリング
データが少なくて今のところうまくいかない
肺がんの患者の呼吸例
2.「深層学習を様々な実対象に活用する研究に即したモデリング ~共同研究を通じて得た経験から~」県立広島大学 市村 匠(スライドPDFファイル) 共同研究の開始前
データを持ち領域の専門的知識をもつところと研究
以下を確認
データがどのようなものか
提供されたデータだけでは足りているか足りていないかはわからない
提供側は十分のはずとはいうが必ずしもそうではない.いろいろな要素がある
何を出力するモデルを構築したいのか
構築したモデルをどのように使うのか
AIは万能と思われがちだがそうではない
議論を通して相互の知識・理解度を深める
研究スタート
データの専門家と深層学習の専門家でチームを構成し勉強会を開催
学習データを作成
共同研究先からのリクエストへの対応
精度向上
データの後出し
システム構築後の検証
オープンデータを使ってシステムを構築
システムが完成すると
ネットワーク上の信号の流れを検証
感想
AIは「できればよい」という考えが多い
モデルを作る順番が変わってきている
「数式→データを用いて検証」⇒「データ→システム→数式(?)」
システムズアプローチの中のCIとモデリング
何をモデリングするか
対象システムのモデリング
実現したいコト・モノ,問題のモデリング
方法開発のためのモデリング
モデルをどのように捉えるか
知能を実現するシステムモデル
システムを知能的に実現するシステムモデル
モデルベースからモデルフリーへ
データ同化によるモデリング
ガウス過程回帰によるモデリング
「...に学ぶ」,「...にヒントを得る」から「...をモデリングする」へ
4.ディスカッション
研究においてこういうモデルが欲しいというのがある
データを提供して皆で議論したいような課題もある
モデルありきではできない議論もある
これからAIと言われているが自分はAI反対派である
人間の感覚の方が優れているものはまだまだ多い
世間はそうではない、AIは万能と思われている
もっとAIではできない、CIでないとできないものを言っていくことが必要
アブダクション:If-Thenなど仮説をたててオートマティックにモデリングを行うものもいいのではないか
インダクション、リダクションでもなくアブダクションというのは良い